あなたとめぐり会えた雪の夜の小さな奇跡
2011年 01月 31日
雪の夜。
ボクは生まれた。
生まれてすぐに駐輪場の自転車の上に置かれた。
向かいにある窓の向こうには
男の子が
暖かそうな部屋でひたすら勉強している姿が見えた。
ボクをつくってくれた女の子。
降り積もる雪の中を
かわいい犬と一緒に歩いていて
学習塾の傍らで
何を思ったか
せっせとボクをつくってくれた。
冷たくなった手のひらに
ときどき息を吹きかけながら
一生懸命つくってくれたよ。
ありがとう。
つくってくれてありがとう。
がんばる男の子も
やさしい女の子も
それから
かわいいワンコも
生まれなければ見ることはできなかったんだ。
明日の朝、日が昇ると
ボクは溶けてしまうけど
それでもやっぱり
生まれてきてよかったと思うんだ。
ありがとう、みんな。
そしてさようなら。
お別れは悲しい。
でも泣いたら溶けちゃうから
静かにそっと
誰にも知らせず消えてきますね。
そんな声が聞こえてきそうな
土曜の夜にOGのYさんがつくった雪だるまくんでした。
ええ。もう、今朝にはいなくなっていました。
辺りは雨が降った後のように濡れてました。
うれし涙の跡だといいな。
by mt_over164
| 2011-01-31 16:39
| 思うこと